スタジオ・サニーサイド

札幌を拠点に活動する、ゲームのサウンド&シナリオ制作スタジオです

地震と停電で役に立ったものまとめ 〜スタジオ・サニーサイドの場合〜

はええもんだな、あの地震からもう一週間。などと男塾の松尾のようなことを言ってしまう。ご無沙汰しています。banです。

 

さる9/6未明の北海道胆振東部地震では、スタジオ・サニーサイドの拠点も震度4程度の揺れにみまわれました。幸い家具の倒れや機材の落下もなく、揺れによる直接の被害は皆無でした。しかし怖かったですね。ガタガタとした小刻みな揺れが大きくなっていくにつれて、かつての大阪や熊本や東北の光景が脳裏をよぎりました。うちの猫は揺れの直後からテーブルの下に潜り込んで出てこなくなってましたね。怖かったんだろうな。

 

揺れそのものはともかく、その後の停電には参りました。こんな大規模かつ長時間の停電は経験したことがありません。まさにグレート・ブラックアウト。うちは揺れの直後から停電しましたが、マンションの窓から見れば外にはまだまだ明かりが残っており、やれやれどこかの電線が切れたかな、くらいに思っていたのが、その明かりがみるみる消えていって星空だけの真っ暗闇になってしまい、ちょっとこれはヤバイんでないか、と戦慄したことです。

 

その後の経過は報道されている通り。翌朝外に出てみると、コンビニやスーパーには長蛇の列ができ、交差点では信号が消えて車がおっかなびっくり通行し、路上には物資を求めて右往左往する人が溢れています。ちょっとした非日常感。ゾンビ映画の導入部かと思いました。

 

うちは翌9/7の夜9時前くらいに復電しましたが、札幌市内ではかなり遅い方だったのではと思います。40時間以上停電したことになり、本当に長い1日半でした。電気がないだけで人間こんなにできることが限られてしまうのか、と無力感に包まれるなど。しかし幸いにも、幼少の頃から東海地震および富士山噴火に備えて県ぐるみでのスパルタンな防災対策を仕込まれ、かつ阪神淡路大震災を経験したことで災害に対する意識が高い当スタジオの防災担当・kato(静岡県出身)のおかげで、防災グッズや水、食料の備蓄があり、なんとか非常時を乗り切ることができました。

 

その経験から、災害時にあって便利だったものについて、実体験からの知見を得られたので、ここにまとめておきたいと思います。防災対策の参考になれば幸いです。

 

 

■あって助かったもの

炭酸水、ノンアルコールビール

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買っててよかった。

 

いきなりすみません。ハイボール用の割材として箱買いしていた炭酸水が、飲料用として大活躍。同じく箱買いしていたノンアルコールビールもお茶代わりにグビグビ飲んでました。ミネラルウォーターの備蓄もありましたが、それはカップ麺やレトルト食品の調理用に回すために取り置き。しかし幸い冷蔵庫の中身が充実していたので、使わずに済みました。

 

災害用ラジオ付きフラッシュライト

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有事の際はサイレンにもなる憎い奴。

 

今回いちばんの立役者。停電中の光源として、情報源として、また不安なときの気休めとして、置いといて本当に助かりました。

 

単3→単2電池変換アダプター

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今は亡きなつかしのロゴ。穴に単3電池をはめ込むと、単2電池のできあがり。

 

そのライトの駆動用として。実は単2電池のストックがほとんどなかったのですが、このアダプタと単3エネループの組み合わせで当分しのげるため、ちまちま電池をセーブする必要も買い求めに走る必要もなく、精神的にたいへんラクでした(これ重要)。

 

MacbookPro

モバイルバッテリーの代わりにスマホを充電するのに使用。フル充電状態であれば、iPhone SEを3回充電しても50%以上の余力があり、40時間の停電を十分乗り切ることができました。これがカラになった時は車載オーディオのUSBコネクタから充電するつもりでしたが、こちらは結局使わずに済んでいます。オーディオにUSBの口がない場合は、シガーソケットから充電できるUSBアダプタを常備しておくと安心でしょう。もちろんモバイルバッテリーもあるに越したことはなし。

 

 

ラップ

ガスが生きていたため、湯を沸かしたり、簡単な調理をしたりはできるのですが、水が貴重なので洗い物はできるだけ避けたい。そこでラップを食器に巻いて、この上に食べ物を載せます。食後はラップを剥がして捨てれば、洗い物が増えずにすみます。買い置きがあるとなお安心。

 

蒸し皿

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手前のちっちゃい円盤を鍋の底に敷いて使います。

 

電子レンジの代わりに、冷凍していた食材を温めるのに使用。鍋の底に少し水を張り、蒸し皿をおいて火にかけ、その上に解凍したい物を置き、蒸気で解凍から温めまでやってしまいます。

 

ウェットティッシュ、トイレットペーパー

これはたまたま買い置きしていたので助かりました。知人の話だと、店頭ではトイレットペーパーが品切れになっており、足りずに大変難儀したとのこと。ウェットティッシュは水が貴重ななか、手を拭いたり顔を拭いたり体を拭いたりと大活躍。

 

ろうそく、ライター

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ろうそくと犬型ライター。ガスは尻の穴から注入。

 

これも防災用に備えておいたもの。夜はこの明かりがあるだけで気分的に少し安心できます。ただろうそく立てがなかったのはちと不便でした。うちではココットの皿に溶けたロウをたらしてろうそくを立てたあと、周りにアルミホイルを詰めて安定させて使いました。ただしむき出しの火は大変危険なので、倒れないように気をつけること、周りに燃えるものを置かないこと、目を離さないことが大事かと。とは言え危険なのに変わりはないので、ウチではより安全なLEDランタンの導入を考えております。

 

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固定はこんな感じで。

 

アナログゲーム

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ひらがなカードは、一枚ずつ取り、何か言葉が完成したらあがり、というルールで運用。

 

停電中の夜間は本当にできることがありません。食事をとったあとは寝るぐらいしか。しかしそうはいってもまだ7時だ。寝れるか!となると暇つぶしの手段が要ります。そこで電気を使わないアナログなゲームの出番です。うちは将棋やトランプのほか、katoが以前自作したひらがなカードでゲームをして時間を潰しました。ろうそくの灯りでこういうゲームに興じるのも、それはそれで風情があります。

 

 

■その他役に立ったコト

 

冷蔵庫を保冷ケースの代わりに

停電していても、冷蔵庫は締め切っておけば冷気が半日くらいは維持できますし、フリーザーのほうも丸一日くらいはもちます。冷蔵庫のほうが常温になっても、フリーザーの方は食材がまだ少し凍っていて冷気があるので、卵や牛乳などはそちらに移すことで日持ちさせました。冷凍庫に保冷剤のストックを入れてあったのも良かったようです。

 

 

■あると確実に助かるであろうもの

 

カセットコンロ

水、電気、ガスの三大ライフラインのうち、今回はガスが生きていたのでまだなんとかなりましたが、これが停まっていた場合は目も当てられません。冷たい飯をもそもそ食い、乾いたカップ麺をかじり、冷水で体を拭いて風邪を引く羽目になっていたかもしれず。なのでカセットコンロと予備カセットは災害時の備えとして必需品だと思います。厳冬期だとまさに生命線となるかもしれません。

 

 

  ※   ※   ※   ※

 

 

札幌はまだほんのり暑さが残る時候で、寒さ対策がほぼ不要だったのは幸運でした。これが真冬だったらと思うと背筋が寒くなります。その時にはまた別の備えや知恵が必要になるのでしょうが、ともあれ当面その出番は御免こうむりたいものです。みなさんもこれを機に防災対策をしといてはいかがでしょうか。しといて損は絶対にないですぞ。

 

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テーブル下に隠れた私もおススメします。