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スタジオ・サニーサイド

札幌を拠点に活動する、ゲームのサウンド&シナリオ制作スタジオです

週一更新のお知らせ/打ち込みとファミコンと高校生と(PartII)

雑談 お知らせ ban

鳥獣戯画Tシャツが欲しい。こんにちは。banです。



まず本日はお知らせから。
毎週二回更新でやってきたこのブログ、本業のスキマ時間にでもと思ってやっておりましたが、
ありがたいことに本業のほうが忙しくなってきてスキマ時間が細ってくる一方で、
定期更新にこだわってると逆に本業のほうが圧迫される状況になってまいりました。
というわけで今回より週一回、火曜日の更新とし、
banとkatoが交代で記事をアップしてまいります。
どうぞ今後共ご愛読のほど、よろしくお願いします。





さて前回の続きです。


ファミコンディスクシステムのソフト「オトッキー」で生まれて初めての打ち込み体験をしたものの、
やっぱり4小節だけというのはあまりにも短かい。短すぎ。
いざ打ち込みができるとなると、メロディはどんどん頭の中に生まれてくるのですが、
それがたった4小節に収まるわけもなく、はけ口を失った脳内メロディは頭の中をグルグル回転しています。
ああ、モヤモヤする。歌うのも恥ずかしいし。


という状態だったところに発売されたのが、同じくディスクシステムのこのソフト。




ファミリーコンポーザー



これはオトッキーとは違う方向性でまた画期的でした。
オマケではなく、こっちは純粋に作曲のためだけのソフトで、
雑誌記事を読むと、どうやら長い曲も打ち込み放題っぽい。
これはもう手に入れるしかないだろう!
と、すかさずオトッキーのディスクをこっちに書き換えました。さらば。


さて、このソフトのことをあれこれ書こうと思ったのですが、
こっちはオトッキー以上にネット上の情報がわずか過ぎる。
もう20年以上前の記憶と、辛うじてネットにあった断片情報を頼りに、
概要を挙げていくと、こんな感じです。




キーボードの右端にある「MIDI」の表記が泣ける。


  • 打ち込めるのは、単音のメロディと、コード進行のみ。メロディ以外のバッキングは、プリセットのバッキングパターンから選ぶ。バッキングは進行指定に従って自動的にコードを演奏。
  • メロディ部は、ピアノ、ブラスなど14種類の音色を選択可能。今でいうピアノロール的なインターフェースで、ペンシルツールで線を引くようにメロディを打ち込める。カット、コピー、ペーストも可。分解能は結構細かった気がする。少なくとも1/16音符、もしかしたら1/32分音符くらいはいけたような気が…。
  • なんとメロディのリアルタイム入力が可能。バッキングを流しながら、ボタンを押しっぱなしで画面の鍵盤をグリグリすると、指定のコード進行に沿ったスケールで音が鳴ります。録音も可能。スケールから外れる音は発音されないので、テキトーにボタンを押して十字キーをグリグリしているだけで、アドリブプレイしているような雰囲気が味わえます。まあさすがにファミコンのコントローラーというインターフェースでは自由自在にメロディを奏でる、というわけにはいかず、これはアドリブ展開機能くらいに思ってた方がよいですね。一応ビブラートなんかも付けられます。
  • バッキングパターンは、コード、ベース、リズムの3パートから成り、「ロック1」「ジャズ」「ボサノヴァ」といった、典型的なリズムパターンが24種類用意されています。コードはピアノっぽい音、ベースはたぶんCチャンネルの三角波、リズムはファミコンノイズの組み合わせ。ブレイクなんかも打ち込めるので、例えば大サビになったらバッキングを止めて、エンディングになればまたリズムが入って…といった簡単なアレンジもプログラム可能。
  • コード進行は、一拍単位の細かさで指定可能。コードの種類は、メジャー、マイナー、メジャー7th、ドミナント7th、マイナー7th、といった基本的なところから、sus4、aug、-5、dimくらいまではあったはず。
  • 結構長い小節数まで打ちこみ出来たはず。画面写真左上に見えるカウンターは小節数なので、3桁まであるってことは、もしかしたら999小節まで行けたのか?自分はせいぜい100小節を超えるか超えないかが限度でした。
  • もちろんテンポの変更もOK。
  • 作った曲は6個まで保存可能。


「オトッキー」がかなりマニアックな作りだったのに対し、
こちらはだいぶカジュアルに作曲を楽しもうというスタンスのソフトです。
カシオのキーボードについてるような自動伴奏機能をプログラマブルにして、
メロディの打ち込み機能を付けた、という感じが近いですかね。



D
どこかのどなたかファミリーコンポーザーで打ち込みなすったYMOの名曲。
「東風」のあの複雑なコード進行も再現してて凄い。



ここまでの説明で判るように、このソフトを使いこなすにはコード進行の知識が必須です。
当時、エレキギターの練習でコードの何たるかは一応解っていましたが、
じゃコード進行ってどうやればいいの?状態だった私。
分からなければ調べるしかないだろ!
ということで、当時出まわっていた歌本を借りてきたり、
雑誌に乗っていた楽譜を見たりして、そこに載っているコード進行を真似して打ち込みを始めます。


いっぽうで、真似したコード進行を応用して自分の曲を作り、
メロディにコードを付けるということもやり始めました。
このとき初めて自分で作った曲はまだ覚えてるな…(遠い目で)。
学校の音楽の授業で、自分で作詞作曲をやるという課題のときにこれを出した覚えがある。
この曲、いつか仕事で使ってやろうかと思ってますが、まだ果たしてません。


自分はこのソフトでコード進行の基本的なパターンを覚えました。
理論的なことはまたずっと後になってから学んだのですが、そういう土台の部分はさておき、
とにかくコード進行を使って音楽を組み立てるということ、
メロディは同じでも、コード進行の違いで音楽のカラーが全く変わることを学んだわけです。
そして、理論立ったところをすっ飛ばしていても、
世間に溢れているコード進行のパターンを覚えていくにつれ、
そこに何らかの法則性があるということをうっすらと感じるようにもなりました。


で、これの打ち込みをやっていると、どうしても音を取るのに鍵盤が欲しくなってきます。
このメロディに合うコード進行はどれなのか。このコードから外れている音はどれか。
このあたりの聞き分けは耳でやってましたが、それだけではどうしてもわからない時もある。
そういうのは自分で鍵盤で弾いて音を取ったほうがラクなんじゃないか。


そう考えた私は、無性にキーボードが欲しくなり、お年玉を貯めて安いキーボードを買いました。
これが今考えるとけっこう味のある名機だったんですが、その話はまた次回にでも。