スタジオ・サニーサイド

札幌を拠点に活動する、ゲームのサウンド&シナリオ制作スタジオです

さよならCD計画

迫り来る四十肩の恐怖!こんにちは。banです。



先週の続きです。



一念発起して仕事場を移動したのは良かったのですが、しかし有り余るモノの置き場所に困り、
私は棚を一本占拠している500枚のCDを何とかすべく対策を講じるのであった。
というのが前回までの話。


ウチにあるCDは、私の管理下にあるものについては全てiTunesにてMP3化を完了しております。
リビングで聞くときはMac miniiTunesからAirMac Experss経由で無線にてオーディオ機器に出力し、
外出するときはiPhoneに突っ込んだ500枚余りのCDのデータからお好きなモノを選んで聞きまくるという、
四半世紀前にはレンタルレコードからカセットに必死でダビングして曲名をレーベルにレタリングし、
あまつさえ歌詞をノートに書き写して挙句の果てにそれを和訳していたという、
中学生男子ならではの一途な営みの頃からは隔世の感があります。





そしてMP3化が完了して以後、音楽をCDの盤で聴くことはほとんど無くなってしまいました。
そらそうだ。そっちのが便利だもの。
音質はそりゃCDのほうがいいですけど、携帯性利便性と音質を天秤にかけると、どうしてもMP3の方に軍配が上がってしまう。
民生の一般的な再生環境であれば、ビットレートのそれなりに高いMP3と生AIFFデータの音質に致命的な違いは出ず、
ならば取り回しの簡便なMP3を主に使うようになるのはごく自然な流れで、
新しいCDを買ってきた時ですら、封を切った盤はCDプレイヤーに乗せず、
いきなりMacbookに突っ込んでリッピングしその後はケースにしまって棚にさらしたまま、という有様です。


ついにはとうとうCDを買う頻度も激減し、
欲しい音楽は、iTunes Music Storeダウンロード販売で買い求めるようになりました。
そっちに慣れると、CDって何て高いのさ!特に国内盤!ムキャー!
と思うようになり、CDからますます離れてゆくというさよならスパイラル。


というような昨今の傾向もあり、自分としてはもうCDはいいか、と思うようになりました。
CDという媒体はいまや着実に終わりつつある、という世間の潮流を身をもって感じています。


それに、私がCDを買い始めてからすでに今年で四半世紀(!)。
高校、大学の頃に買ってたモノは、いいかげん時間が経っているために、
CDの盤面が腐食してデータが読み取れなくなる、という瀬戸際にもあります。これはまずい。
というわけで意を決して、すべてのCDを非圧縮でリッピングしてiTunesに叩きこむ、というミッションを開始しました。


まず気になるのは必要な容量です。MP3の状態に比べ、非圧縮だとデータ量はほぼ10倍になります。
これではHDDの容量がいくらあっても…あれ、足りるな。
TB単位の容量が当たり前の昨今、CDを一枚非圧縮でリッピングしてもだいたい0.7GB。
500枚でも350GBです。
現在、ライブラリには2TBの外付けHDDを使用しているので、
多少現状より圧迫はされますが、逼迫するという程ではありません。なんとかなる。


とはいえ、できればHDDの容量は節約したいですし、
ライブラリが肥大化するとバックアップを取ったり、移動したりの取り回しも大変です。
なので今回は、非圧縮のAIFFではなく、Appleロスレスという可逆圧縮フォーマットを使うことにしました。
これだと、非圧縮と同等の音質を維持しつつ、データ量を半分強に圧縮できます。
CD500枚ならだいたい200GB程度の容量になります。これなら十分許容範囲です。


もう一つの問題は、容量が肥大した分、iPhoneiPodに入れて持ち出せる曲の量が減る、ということですが、
これはiTunesの設定で、外部デバイスに転送する際に自動的にAACに変換してくれるオプションがあり、
これを使うことで解決できます。
もちろんそれは音質の劣化を伴いますが、そのあたりは割り切りです。
私は可搬性を取って、iPhoneには全てAAC128kbpsで転送することにしています。
音質が気になったら、更に高いビットレートに変換して転送することも可能です。




ビットレートは192kbps、256kbpsも選択可能



で、リッピングしたあとのCDですが…。
思い入れのあるものは手元に残すかも知れませんが、あとは売却するつもりです。
物置に置いてても腐食させちゃうだけだし。
ただ、CDに付属しているブックレットやライナーノーツ、日本語訳詞についてはちょっと未練がないこともないですが、
しかしじゃあ手元に残して、将来それを愛でたり役立てたりするアテはあるのか、というとありませんねやはり。


というわけで、今こつこつとヒマをみつけては、CDを古いものからリッピングしています。
これはどうしても手作業なので、しょうがないというか、致し方無いというか、めんどくさいですが、
往年の中学生男子魂を思い出しつつ、ちまちまと進めてゆきたいとおもいます。私からは以上です。