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スタジオ・サニーサイド

札幌を拠点に活動する、ゲームのサウンド&シナリオ制作スタジオです

ゲームの音屋が映像編集をやる時

サウンド仕事 ソフトウェア 機材 ban

まだ風邪が抜けきらず、日がな一日ゲホンゲホンと咳しっぱなしのbanです。
これがけっこうつらい。



さて今日は映像編集のお話です。
音屋の業務に映像編集が何か関係あるのか!
いやあるんですよそれが。
というかこれが無いと色々不便といってもいいレベル。まあ聞いてください。


例えば開発機材が不足していて、開発中のゲーム画面を手元で見られない場合。
そんな時は、とりあえずゲームのプレイ動画を撮影して、これを資料代わりにします。
また、手元に遊べる状態のゲームがあっても、音をつける目的のシーンを出すのに何分もかかってしまう場合。
こんな時も、とりあえず一回そのシーンを出して、その様子を収録して動画にしてしまいます。
目的のシーンを繰り返し見ることができて、手間が大幅に減るわけです。


一昔前であれば、開発機材から出ているコンポジット端子をビデオデッキに突っ込んでVHSに録画したり、
あるいはパソコンにつないだビデオキャプチャーボードに突っ込んで動画にしたりして、
それを見ながら音を作っておりました。
が、近年は携帯用ゲーム機や、スマートフォンのサウンド制作の機会が格段に多くなり、
困ったことにこいつらにはビデオ出力というものが標準でついていないときたため、
外部の録画機で映像を収録することも難しいのでした。さあ困った。


そこで頻繁に行うようになったのが、
スマートフォンでゲーム画面を直接ムービー撮影する」という方法です。
えっ。ちょ。それってえらいこと原始的な…。と一瞬思わないでも無いですが、
現在のスマートフォンの撮影能力をもってすれば、サウンド制作には十分使用に耐える映像が撮れますし、
何より特別な機材や配線を必要としないので、非常にお手軽。
しかも、動画データはパソコンに吸い出してお好きなように編集できます。


私はもっぱら録画にiPhone4S(64GBモデル)を使用しています。
つかこういう使用を想定して64GBモデルを買いましたよ。ふふ。
大容量なので長い動画も余裕で撮れますし、カメラもフルHDで、ディティールも鮮明に録画できます。
なにより、常に携帯しているので、出先でちょっと録画しておきたい映像があったら、
すぐに取り出して録画して保存…ということが手軽にできます。
(もちろん、録画するときは、映像の提供元に一言断るのを忘れずに!)



※画像はイメージです



以前はデジカメを使っていたこともあったのですが、
機種によっては、録画したムービーの尺が、実際の尺よりわずかに縮んでしまうということがありました。
iPhone 4Sではそういった問題が出ないので、今現在はこいつがメインです。
まあ難点と言えば、基本的に手持ちで撮影するため、
油断していると手がプルプルしてブレ放題の映像になってしまう点ですが、
そのへんは各自ワキを締める、腰を入れるなどしてなんとか乗り切って頂きたい。


さて、録画した動画は、それだけでもメモ代わりとしてiPhone上で見たりしますが、
さらに利用するため、Macに吸い出します。
吸いだした動画ファイルは、そのままでは余分なシーンがついていて使いにくく、
また、動画そのものに付随している音声も、サウンド制作の際に邪魔になります。
そこで動画編集ソフトの出番です。


Macであれば、ちょっと前なら有料のQuicktime Proを使うのが自分の定番でしたが、
Mac OS X 10.6以降であれば、Quicktime XがOSに標準装備されており、
アップグレードしなくてもフォーマット変換や編集機能が使えるので、
必要な場面のみを抽出したり、特定の動画フォーマットに変換するだけの作業であれば、
十分な機能が備わっています。
元のムービーに入っていた音声をOFFにするのも簡単です。

(※追記2012/7/4 Quicktime Xでは動画のフォーマット変換やオーディオトラックの削除はできませんでした。これらの機能は有料版のQuicktime Proでのみ有効なようです…失礼しました)

Quicktime Xの編集機能



さらに自分は、iMovie'11というソフトも併用しています。
これは、もともとホームビデオ編集のために買ったソフトですが、
編集機能がQuicktime Xより柔軟で、
複数の動画ファイルから必要なシーンをピックアップしてつなげる、
といった編集が簡単にできるのが強みで、多用しています。
動画にテロップを載せることもできるので、
キューを動画上に直接書き込む、なんてこともできるかも。やったことないけど。



iMovie'11の編集画面



編集した動画は、Quicktimeフォーマットにして書き出し、
MOTU Digital Performer 7に読み込ませます。
これで、これから制作する音と動画を同期させることができるようになり、
例えば、メカが変形合体するような、様々なSEが連続して次々に鳴るようなシーンでは、
タイミングを正確に動画にあわせて音を鳴らすことも可能になります。



Digital Performer 7に読み込ませたところ…



さらに、こうして動画に同期して作った音を、サウンドファイルとして書き出し、
元の動画に貼り付けて、クライアントにサウンドのデモとして提示する、
というところまでやったりします。
そこまでする必要があるのか、というと、いや別にやんなくてもいい訳ですが、しかし。


やはり動画に音がついている状態というのは説得力があります。
作ったSE単体では、採用かリテイクかの判断がつきにくい場合でも、
動画と一緒に鳴らすことで、映像に合っているか否かの判断が格段にしやすくなります。
このようにクライアント側の判断の一助になる材料を出して、
OKをいただく可能性をできるだけ高めようという涙ぐましい努力。
そういう意味でも動画編集ソフトは必需品なのでした。私からは以上です。