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スタジオ・サニーサイド

札幌を拠点に活動する、ゲームのサウンド&シナリオ制作スタジオです

使い続けて十数年/ヘッドフォンと私

サウンド仕事 機材 ban

目からビーム出したい。こんにちは。banです。



常に音と共にあるこの稼業。ついて回るのは騒音問題です。
騒音問題といっても二通りあり、ひとつは外部から仕事場に入ってくる様々な音で、
隣家の赤子の鳴き声や上階で子供が走り回る音、
仕事の時間を狙ったかのように巡回してくる廃品回収車のアナウンス、
ひどい場合は町内会の盆踊りで延々リピートされるアラレちゃん音頭など、
静かな環境で音をチェックするには大変ハードな状況になる場合が時折あります。
マイクを使って収録している場合は特に深刻で、
ナレーション収録の予定日に向かいのマンション工事がズンドコ始まりそうになり、
挨拶に来た現場監督の方にこっちの職業を明かして事情を説明し、
工事日程表を貰ってスケジュールを確認して、
なんとかナレのバックに解体音が入る事態を回避したこともあります。


まあこの場合はこっちが心を水のように鎮め、
心頭滅却すれば隣近所のカラオケもまた静か的な境地に達することでなんとかスルー可能ですが、
逆にこっちが近隣に騒音を与えてしまう場合もあるわけで、
そこはそれご近所付き合いというモノもありますから、配慮せねばなりません。
またウチの場合、仕事場はkatoと共同で使っておりますので、
私がスピーカーから同じ効果音をしつこくしつこく何度も何度も何度も繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し再生した場合、
ついにkatoのストレスゲージが限界を突破、奇声を発しながら私のテンプルにワンツーを決めてこないとも限りません。


このような悲劇を起こさぬため、作業時はヘッドフォンを主に使用し、
バランスチェックの時のみモニタースピーカーから音を出す、
というスタイルが定着しております。
正直面倒ですが、まあマンション住まいの身の上ですのでこれは致し方ありません。


ですのでヘッドフォンは最もヘヴィに使っている機材の一つと言えます。
今使っているのは、SONY MDR-CD3000という機種です。



これは、リーマン時代に入社と同時に支給されたのと同じ機種で、
個人的にもかれこれ十数年前に購入し、今に至るまで長く使い続けております。
すでに生産完了品ですが、いまもって人気が高く、中古が高値で取引されている模様。
定価は確か当時で5万円くらいしたはず。
ヘッドフォンとしては「高っかー!」と思うレベルの価格帯ですが、
全体にフラットでクセのない音、豊かでありつつ締まりのある低域、緻密な音の再現度など、
音を聞けば納得の逸品でした。


ただ、さすがに10年以上も使っていると、いろいろガタがきてしまいます。
ドライバー(音を出す部分)がへたって来て、音質も劣化してきますし、
ケーブルの付け根が接点不良を起こしてガリと呼ばれるノイズが出たりもします。
さらに、イヤーパッドなどに使われている人造皮革が経年変化でだらしなく溶け、
黒いゴミくずと化して手に耳に首にベタベタ付着、
しかも取ろうとして擦るとベッタリ広がりやがる、という厄介者。
Macbookの白いボディにこいつのパッド屑がベタベタついてしまった日にはもう…。
拭いても取れないし!これ!もう!ムッキャー!



ある日、ついにブチ切れた私はガムテをイヤーパッド部にベタベタ貼り付け、
日焼けの皮をむく要領で溶けた人造皮革を強引に剥ぎ取りました。
かくして見た目は画像の通り残念感あふるる状態になりましたが、
見てくれより音よ音!と自分に言い聞かせ使い続けています。
あと、さすがにイヤーパッドが分厚いので夏場などはムレムレであり、
使用後にそっと匂いを嗅ぐと立ちのぼるノネナール臭に自らのオッサン度を痛感する毎日です。


まあそういった難点はあるものの、できるだけ長く使い続けたい逸品ですね。
ただ、近い将来これがへタり切ったときのために、次の機種にはアタリをつけておかねば、とは思います。
ド定番ですが、SONY MDR-CD900STとかどうだろ。
前にしばらく使ってたことがありますが、
CD-3000に比べて低域がややルーズかな、と思えるものの、癖はなく、
ヘヴィな使い方にも耐える堅牢さもポイント高いです。壊れても部品がすぐ手に入るし。
また、定番と呼ばれるモノを使って、なぜ定番なのか、また定番の音とはどういうものか、ということを、
日常レベルで身に染ませておくことも大事じゃなかろうか、
と思ったりするのでした。私からは以上です(ヘッドフォンの匂いを嗅ぎながら)。


SONY MONITOR HEADPHONES MDR-CD900ST

SONY MONITOR HEADPHONES MDR-CD900ST